■PHILOSOPHY
「建築家を志したきっかけ」
 私が建築家を志したきっかけは、1995年の阪神・淡路大震災です。
ニュースで見た光景に、本当に大変なことが起きたと衝撃を受けました。
当時、小学生だった私のなかには使命感のようなものが芽生えた記憶があります。
幼少期からものづくりが好きでした。そして、ものづくりで人の役に立ちたいと思い、今日までいたっています。

「建築へのおもい」
 機能的・合理的であることを前提としつつ、豊かな時間を過ごせる空間や場、プロダクトを作りたいと思っています。
 90年代に見た小沢健二さんの歌う「カローラⅡにのって」が流れるトヨタのカローラⅡのコミカルなCMが印象的で記憶に残っています。
 曲の主人公は、おっちょこちょいで間の悪さもあり、組んでいた予定がずれてしまう体験が続きます。でも、そんなとき本来の目的から外れた時間をカローラⅡがいつも優しく快適に包み込む空気感がとても好きでした。それを冗長性と呼ぶのだと思います。限定されない豊かさをどう生み出すのか考え続けたいと思っています。

「第三者性」
 自分自身が良いと感じたものを、分かりやすく言語化・数値化して共有したいと考えています。そのためには、どんなツールがあるか探し続けています。
 学生時代から、スケールやスケッチブックを手に建物をたくさん見て回りました。どうしてこのような形をしているのだろう。どうしてこの寸法なのだろう。この建物を見て感動するのはなぜだろう。。大切なのは、自分自身が一次情報を獲得できるように体験することなのだと考えています。それとともに沢山の知見を結集させることができれば、建築はより良くなると考え、あらゆる分野のスペシャリストへの相談ができるような環境づくりを心がけています。